【雑記】その13 第一遷移元素と第二遷移元素(第4周期、第5周期)
気になったことを書き連ねていきます
第13回です
元素シリーズ2回目です
大体中学から高1レベル、あとなんか面白い情報くらいです
誤字脱字や間違った情報などあったら優しく教えてあげて下さい
今週は遷移元素の第4、5周期についてです
が、遷移元素は周期によって性質が似るには似るのですが、全体を通してこれだと言えるものはあまりないので、脱線多めです
来週と再来週はそれぞれランタノイドとアクチノイドがあるので比較的脱線しにくいはずです
また、各元素の説明もほとんどあって無いようなものなので、詳しく解説してほしい元素があれば言ってください
では早速
そもそも遷移元素とは?
遷移元素とは、高い融点と硬さを有する金属のことです
常磁性を示すものが多く、鉄、コバルト、ニッケルのように強磁性を示すものも存在します
また、化合物や水和イオンが色を呈するものが多いです
塩化銅水溶液は綺麗な青色ですよね
そして、これらの遷移元素と典型元素の決定的な違いは、内殻のd軌道に安定な不対電子を持っていることです
d軌道についてはもう少し後で解説しますね
これによって遷移金属の多くは常磁性であったり、複数の酸化数をとったりします
また、さまざまな配位子と結合することで、錯イオンを形成します
[Fe(CN)₆]³⁻(ヘキサシアニド鉄(iii)酸イオン)とかですね
ただし、亜鉛、カドミウム、水銀の12族元素(亜鉛族元素)は、内殻が閉殻であるため典型元素と似た性質を持ちます
で、d軌道って何?
さっき突然出てきたd軌道ですが、これは小軌道や副電子殻、亜殻などと呼ばれているものです
これを説明するために、まずは電子殻のおさらいをしましょう
電子殻とは、原子核を取り巻く電子軌道の集まりのことです
よく同心円状の図が描かれますが、実際の電子軌道は必ずしも球状ではないらしいです
さて、電子殻は内側からK殻、L殻、M殻、N殻、O殻・・・とアルファベット順に続いていきます
なぜK殻からかというと、発見当初はK殻より小さい殻があると考えられていたからだそうです
しかし、K殻よりも小さい殻は未だ発見されていません
また、各電子殻には、最大収容数が決まっています
内側から順に2個、8個、18個、32個、50個・・・ですね
要は2n²個です
電子は内側から外側に向けて、順番に入っていきます
ただし、1つの電子殻に8個の電子が入っている状態が最も安定するようで、19番のK以降は変則的な増え方をします
これが遷移元素と典型元素の性質の差の要因です
が、詳しいことはまたもう少し後で
とまあそのため、今のところ各電子殻上で33個以上の電子が入っている原子は発見されていません
そして、これら電子殻の最も外にある殻にある電子を最外殻電子と言いましたね
これは希ガス元素以外では価電子の役割をします
価電子数は色々複雑なのでそのうちやるかもしれません
やらないかもしれません
さて、そろそろd軌道の話をしないとブラウザバックされそうなので話します
小軌道とは?
小軌道というのは電子殻を構成する電子軌道の集まりです
エネルギー準位の低い内側のs軌道から始まり、p、d、f、g軌道と続きます
各小軌道の電子容量の和がその電子殻の電子容量となるらしいですね
K殻ではs軌道の2個、L殻ではs軌道の2個とp軌道の6個の計8個・・・といった感じです
s、p、d、f、g・・・というのは、それぞれ"sharp"、"principal"、"diffuse"、"fundamental"から来ているようです
...が、gは"fの次"だそうです
急に雑ですね
で、これの収容順ですが、説明するのがめんどくさいです
なのでまずはとりあえずWikipediaから引用します
"高位の「電子殻」の低位の「小軌道」のエネルギー準位は、低位の「電子殻」の高位の「小軌道」より低くなっており、
そちらへ先に電子が収容される。これを構造原理という。右図の3行目のM殻ではp軌道(3p)に電子が入ると、
次はd軌道(3d)では無くN殻のs軌道(4s)へ電子が入る。その後でM殻のd軌道(3d)へ戻る。
以降 3d - 4p - 5s - 4d - 5p - 6sと続いていく。"
らしいです
正直謎なので、画像で見たほうがわかりやすいでしょう
https://scrapbox.io/files/648d927f7a821d001ba80507.png
という感じで入っていくらしいです
また、
https://scrapbox.io/files/648d92bf8b9096001ce58a61.png
こんな感じです
「百聞は一見に如かず」とはよく言ったものですね
ということで遷移元素は典型元素とは異なりd軌道あるいはf軌道が閉殻になっていません
そして、原子番号の増加によって変化するのは主に、d軌道かf軌道電子です
第4周期、第一遷移元素
ようやく本題です
が、短いです
第一遷移元素は、
スカンジウム(21 Sc)、チタン(22 Ti)、バナジウム(23 V)、クロム(24 Cr)、マンガン(25 Mn)、鉄(26 Fe)、コバルト(27 Co)、ニッケル(28 Ni)、銅(29 Cu)、亜鉛(30 Zn)
の10個です
ということでこいつらを見ていきましょう
Sc:銀色の軟らかい金属 希土類元素に属する(詳しくは来週)
Ti:銀灰色の金属 白金や金などの貴金属と同じくらい耐食性が強い
V:銀白色の軟らかい金属 触媒として使われる
Cr:銀白色の硬い金属 ルビーが赤いのもエメラルドが緑色なのもこいつのせい
Mn:銀白色の硬い金属 常温常圧では非常に脆い
Fe:銀白色の金属 地球の地殻の約5%を占める鉄族元素その1(後述)
Co:銀白色の金属 顔料としても使われる鉄族元素その2
Ni:銀白色の金属 最も安定な元素の一つの鉄族元素その3
Cu:橙赤色の軟らかい金属 同じ11族元素の銀や金などと同様、電気伝導度と展延性が高い
Zn:銀白色の金属 反磁性を示す
という感じです
比較的メジャーな奴らが多いですね
鉄族元素というのは、常温、常圧で強磁性を示す金属(Fe、Co、Ni)のことです
常温で強磁性を示す単体金属は、希土類金属とこの鉄族元素のみです
第5周期、第二遷移元素
第一遷移元素とは打って変わって、マイナーな奴が多いです
第ニ遷移元素は、
イットリウム(39 Y)、ジルコニウム(40 Zr)、ニオブ(41 Nb)、モリブデン(42 Mo)、テクネチウム(43 Tc)、ルテニウム(44 Ru)、ロジウム(45 Rh)、パラジウム(46 Pd)、銀(47 Ag)、カドミウム(48 Cd)
の10個です
ということで(以下略)
Y:銀白色の軟らかい金属 1920年代初頭まではYではなくYtだった 希土類元素に属する
Zr:銀白色の金属 合金が原子炉の燃料棒の被覆材料として使われる
Nb:銀白色の軟らかい金属 タンタル(73 Ta)と性質が似ているため、名前はタンタロスの娘のニオベーから来ている
Mo:銀白色の硬い金属 実は意外と人体の必須元素
Tc:銀白色の放射性の金属 地球上にはほとんど存在しない、世界初の人工元素
Ru:銀白色の硬い金属 白金と同じく、王水が効かない白金族元素その1(詳しくは来週)
Rh:銀白色の金属 塩の水溶液がバラ色になる白金族元素その2
Pd:銀白色の金属 自身の体積の935倍もの水素を吸収する白金族元素その3
Ag:銀白色の金属 昔は金よりも価値が高かった
Cd:銀白色の軟らかい金属 発癌性を有する有害物質
という感じです
特に言うことはないですね()
とまあ今日のところはこんな感じです
今日も化学でした
次回は第三遷移元素(57~80)についてです
個人的に好きなランタノイドについてメインで解説していくつもりです
ではまた